「
祭囃し編」其の四「謀略」。
今回は鷹野の視点により、昭和55年~56年の2~3年目の連続怪死事件の
真相が語られていきました。今回はだいぶ端折られ、駆け足だった部分が
多かったと思いますが、まとめ方としては毎回ながら良く出来ているなと感じます。
(むしろ、これだけの情報をよくまとめられたなという驚きの方が強いです)
昭和55年6月、沙都子がレベル5末期を発症し、両親を崖から突き落としてしまう。
彼女の証言では、あくまでも、両親がいないことに気付いて見に行ってみたら
転落していたというものでしたが、鋭い大石は「なぜ見ていないのに転落したと
わかるのか?」=「沙都子が突き落とした」とすぐに理解します。
話を聞いた入江も、末期症状であれば十分に考えられることですぐに納得。
沙都子が発症したきっかけははっきりとは描かれていませんでしたが、
父親が何度も変わるという家庭でのストレスによるであると考えています。
正当防衛でも事件でもない・・・。
確か実際には両親が必死になって沙都子と仲良くしようと考えを改め始め、
白川公園に誘った矢先の事件だったと思います。記憶が薄れていて申し訳ないですが、
何て悲しい事件だったのだろうという気持ちだけが強く私の心に残っています。
沙都子が咽喉を掻き毟らなかったのは、父親が何度も変わるという普通ではない
家庭環境に置かれていたことから、少なからずストレスに対する耐性が合ったと考えて
います。逆にいうと日々、それだけのストレスを抱えて生きてきたということでしょうか。
まだ幼い沙都子の生きてきた人生はなんて辛く悲しいものなんでしょう。
そして入江の過去。ここもかなり端折られていましたが、父が土木作業中に頭を
打って以降、それまでとはまったく別人のように暴力的になってしまった姿を見て、
脳神経外科を専攻する決意をしました。
彼は研究を行なうことで、父は病気によって豹変したという事実を見つけ出し、
汚名を晴らしたかった。ここから入江は、どっちかというと犯罪というものは
すべて病気の仕業であり、悪い人間はいないという思想の持ち主だと思います。
転落事件に対する「正当防衛でも事件でもない」という言葉の中には、
父親の豹変に対する共感と同情の念が込められているのではないかと思います。
沙都子の解剖を進めようとする命(人権)よりも研究結果を優先する鷹野に対し、
命を優先して解剖させまいとする入江は、女王感染者の梨花に協力を求め、
治療薬開発という方向へ持っていこうとします。
梨花から採取したデータから試験薬C103を作りつつも、実行に移せない入江。
この時代の梨花は、人を思う気持ちがある入江だからこそ葛藤しているのだ、
沙都子を誰よりも思う梨花の気持ちと命の重みを誰よりも知る入江から抽出された
薬が効かない訳がないと叱咤激励を送ります。
その結果、入江が投与に踏み切ったことで、沙都子は快方へ向かっていきます。
「東京」での発表でも大いに賞賛されることとなり、一二三の研究を皆に知らしめる
ことができた鷹野は、終末作戦の提案も行なうことができて尚更上機嫌。
この成功を誰よりも喜んでくれたのは鷹野の研究を後押ししてくれている小泉大佐で、
鷹野も小泉と話をする時は、唯一本当の三四に戻れるようです。
一二三亡き後、彼だけが心を許せる存在になっていたのでしょうね。
しかし、ここから運命の歯車が狂い出します。
梨花が高熱を発症したことをきっかけに、心配していた母親の怒りが爆発、
父親をも説得して、あと3ヶ月で研究を打ち切るように入江と鷹野に伝えます。
この辺は梨花の意志を完全に無視した母親の歪んだ愛情でしかありません。
せっかく「東京」の権力者どもを説得できそうな状態なのに、こんな母親の
我侭ひとつで邪魔されてたまるかという鷹野は、梨花の両親を3年目の
連続怪死事件に組み込むことを考え付きます。
原作では確か、小此木の提案により、そこまで乗り気ではない鷹野を説得
するような形だったと思うので、アニメ版では鷹野の執着心がより濃く描かれた
ということになりそうです。
3年目の怪死事件の件は思っていた以上に端折られており、
梨花の父親が北条家をかばったことで、日和見主義者の烙印を押されたことも
省かれていました。あれが3年目の事件をカモフラージュする為の要素になるのですが、
ここは既に作中で何度も出ているからという判断でしょうか。
個人的には梨花の母親は好きではないですが、そのとばっちりを食らって殺された
梨花の父親が無念で仕方ありません・・・。
そして梨花の両親という妨害を撥ね退けたと思ったのもつかの間、今度は小泉大佐の
訃報が鷹野の元へ入ってきます。
さすがにこれは予想外の展開で、唯一の肉親のような存在を失った鷹野のショックは
計り知れないものであったと思います。
そして同時に、小泉が死去したことで「東京」内の反小泉勢力が巻き返しに掛かり、
雛見沢症候群の研究が手のひらを返したかのように否定されてします。
まるで幼少時代、一二三の発表をあざ笑ったあの研究者達のように・・・。
反小泉派に3年後に入江機関の閉鎖を決定され、完全に打ちのめされた鷹野でしたが、
そこに謎の女が接触を求めてきます。
女の真意は図りかねるものの、鷹野の力にはなれるという。
どうみても鷹野を利用しようとしているだけのように見えたが、神がまた私を試そうと
いうのかといわんばかりに、鷹野はその女と手を結ぶことにする。
ここで初めて、雛見沢症候群の研究の目的が、一二三の研究を世に知らしめることだけ
ではなく、一二三の研究を馬鹿にしたものどもを見返す為の復讐の念が含まれるように
なります。いや、復讐の念に取り憑かれてしまったといっても過言ではないと思います。
これだけの強い意志を持った鷹野に対し、梨花達はどう立ち向かうのか。
来週はまだ語られていない、4年目、昭和57年の話になるのでしょうか。
圭一の登場はまだ先になりそうな予感です。
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- 2007/10/30(火) 09:25:29|
- アニメ
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-
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最終決戦間近──。
視聴者はアニメオリジナルデザインキャラクターにやられていた。
| Hit!!
|
|
ぱくっ|
/V\
/◎;;;,;,,,,ヽそんなエサ
- 2007/10/30(火) 23:33:29 |
- 万聞は一見に足るやも